「こんな場所が、京都駅から車で10分の距離にあったなんて」
そう感じずにはいられない。ここは、カフェではなく、“時間に坐る場所”。
静けさに耳を澄ませ、青紅葉に目を預け、ただただその場を味わう——それが、2025年4月25日に開業する「閑坐(かんざ)」です。
今熊野観音寺とは?

京都市東山区にある今熊野観音寺は、弘法大師(空海)によって創建されたと伝わる、長い歴史を持つ真言宗泉涌寺派の寺院です。西国三十三所巡礼の第十五番札所としても知られ、古くから病気平癒や健康長寿を願う人々の信仰を集めてきました。
後白河上皇が頭痛平癒の霊験を受けたことから「頭の観音」としても知られ、頭痛封じ・ぼけ封じ・健康長寿・病気平癒といった祈願の場として、今も多くの人々が参拝に訪れます。
境内は四季折々の自然が美しく、特に秋の紅葉は有名ですが、春から初夏にかけての青紅葉もまた格別。清らかな空気に包まれた参道や境内の景色が、訪れる人の心を静かに整えてくれます。境内には「五智水(ごちすい)」と呼ばれる弘法大師ゆかりの霊水が湧き、心身の浄化を求める人々に静かな癒しを与えてくれます。
“休憩所”が生まれ変わった、心のよりどころ

今熊野観音寺といえば、秋の紅葉の名所として知られていますが、実は春から初夏の青紅葉こそが格別。
「閑坐」は、長らく使われていなかった境内の休憩所をリノベーションし、青紅葉の美しさを感じる場として生まれ変わりました。

大きな窓の外には、青紅葉がそよぎ、差し込む光が静かに室内を照らす。窓に映る青紅葉の緑が、まるでひとつの景色として完成されているかのような美しさ。それは言葉を持たない“癒し”の風景です。


さらに、店内に入って左側の壁面には京都嵯峨美術大学の学生による紅葉の装飾が施されており、調理場の窓には趣ある火灯窓の意匠が。細やかな部分にまで、空間づくりへのこだわりが感じられます。
飲食目的ではなく、「その場所に坐ること」が目的

ここでは、カフェ利用という概念を超えた体験が待っています。 お金を払うのは、ドリンクやスイーツではなく、「この空間に身を置くこと」そのもの。
拝観志納料を納めることで、和菓子とお抹茶がつきますが、目的は味わうことより、“在ること”。
静寂に身を委ね、五感を研ぎ澄ませて、時間の流れそのものを感じる。ここは、一種のリラクゼーション空間です。

さらに、今熊野観音寺の境内に湧く霊水で、弘法大師(空海)ゆかりの名水として知られる「五智水(ごちすい)」の提供も。清らかな水を味わいながら、心身ともに浄化されるような体験ができます。

そして、店内だけでなく、テラス席でのひとときもぜひ味わってほしい魅力のひとつ。青紅葉をより身近に感じられ、ふわりと漂う青々しい香り、肌をなでる爽やかな風、小鳥の囀りといった自然の恵みが、全身を癒してくれます。深呼吸したくなる空気に包まれて過ごす時間は、それだけで心が整うような感覚に。

テラスの一角には水が張られており、雨の日には雨粒が織りなす水の輪が美しく、晴れた日には青もみじが鏡のように映り込み、その美しさをさらに引き立ててくれます。
穴場中の穴場。心のリセットに、ぜひ

「忙しすぎて、何か大切なことを置き忘れてきた気がする」 そんな人にこそ訪れてほしいのが、「閑坐」。
SNS映えより、心の“映え”。
人の多さより、自分と向き合う時間。
そんな価値観を大切にしたい方にぴったりの場所です。
今熊野観音寺の参拝とセットで訪れて、ぜひ心を洗ってください。
施設情報
- 施設名: 閑坐(かんざ)
- 開業日: 2025年4月25日
- 場所: 今熊野観音寺 境内
- 利用時間: 9:00以降準備完了次第〜16:00
- 今熊野観音寺の拝観時間は8:00~17:00、拝観料は無料
- 休業期間: 12月中旬~4月中旬
- 定休日: 不定休
- 席数: 最大20席(テラス席含む)
- アクセス: 京都駅から車で約10分
- 利用料金: 志納料制(和菓子+抹茶付き)
- 大人 2,000円
- 小人(※小学生以下)1,000円
- 紅葉シーズンは大人 3,000円/小人(※小学生以下)2,000円

カフェというカテゴリには収まらない、新しい“居場所”。
「閑坐」で、あなたの心に余白を取り戻してみませんか?