ブルーボトルコーヒーでフルコース?! 五感を刺激する、京都で味わう極上の90分

「コーヒーのフルコースを体験してきました」

そう聞いて、どんなイメージが浮かぶでしょうか?

「コーヒーでコース?」「どんな味の違いを楽しめるんだろう?」「90分間もコーヒーだけで満足できるの?」

そんな期待と興味を胸に、京都・南禅寺近くにある「Blue Bottle Studio – Kyoto -」を訪れました。

しかし、90分後。私は完全に心を奪われていたのです。

目の前に広がったのは、単なる「飲み物」としてのコーヒーではなく、まさにフルコースと呼ぶにふさわしい至福のコーヒー体験でした。

ブルーボトルコーヒーが仕掛ける、コーヒーの未来がそこにはありました。

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目次

コーヒーの知られざる世界を旅する

このコーヒーコースでは、「Future of Coffee」をテーマにした6種類の個性豊かなコーヒーと、3種類の趣向を凝らしたスイーツが提供されます。

期待を胸にカウンター席へ

「京都でコーヒーのフルコースを体験するなんて、どんな世界が待っているのだろう?」

そんなワクワク感とともに、特別な時間が始まりました。

LEAVES, FLOWER, CHERRY

まず提供されたのは、「リーフ、フラワー、チェリー」の3種類のテイスティングフライト

見たことのない美しい容器に注がれていく様子に、思わず見入ってしまいました。

それは、コーヒーの葉、花、果肉をそれぞれ丁寧にお湯に浸して作られた、まさに未知のコーヒー体験でした。

1杯目「リーフ」── コーヒーなのに、まるで上質な緑茶?

口に含むと、緑茶のような清々しい香りと、ほのかな甘みが優しく広がります。

2杯目:「フラワー」── 花束のような、華やかな香り

ふわっと鼻に抜ける香りは、まるで高級な紅茶のよう。

3杯目:「チェリー」── コーヒーの奥深い果実味に、心奪われる

「コーヒーは豆ではなく、果実だった」という事実に、改めて感動させられる一杯。

甘さの中に、熟したプラムのようなジューシーさが際立ち、まるでデザートワインのような、忘れられない余韻が広がります。

SOLUBLE(ソリュブル)

続いて、「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」が誇る、XR(Exceedingly Rare=極めて希少な)コーヒー豆を使用した特別なインスタントコーヒー「SOLUBLE」が登場。

いつものインスタントとはまるで違う、心に残る一杯。

コーヒー豆のロースト、抽出、結晶化という全ての工程を徹底的に追求することで、コーヒーが持つ本来の豊かなアロマと味わいを最大限に引き出した、香り高い一杯です。

LONG CUP

さらに、厳選された3種類のコーヒー豆を飲み比べる「LONG CUP」では、ブルーベリーや麦茶のような香ばしさが特徴のリベリカ種、グアバや完熟バナナのようなトロピカルな風味が楽しめるエクセルサ種など、個性豊かなコーヒーに出会えます。

こんなに丁寧に、こんなに近くで。一杯のコーヒーができあがるまでの工程を見られる贅沢。

これまでの「コーヒーは苦いもの」という固定概念が覆される、驚きの連続でした。

KOHAKU

そして、この特別なコーヒー体験をさらに引き立てる、美しいスイーツが運ばれてきました。

サーブされた瞬間、ふわっとバジルの香りが広がります。

目の前で最後の仕上げが施された「KOHAKU」と名付けられたそのスイーツは、見た目も美しく、まるで芸術品のよう。

アジアのコーヒー豆に合うように、アジア原産のパイナップルやバジルが用いられており、口の中をさっぱりとさせ、次のコーヒーへの期待感を高めてくれます。

SHORT CUP / AU LAIT(オ・レ)/ KASHI

次に待っていたのは、ブルーボトルコーヒーの創業者、ジェームス・フリーマン氏が日本の喫茶店文化からインスピレーションを受けて開発した、特別なコーヒー体験。

希少なコーヒー豆は、熟練のバリスタによってネルドリップで丁寧に抽出され、2つのスタイルで提供されます。

  • ネルドリップで抽出されたコーヒーをそのまま味わう「ストレート」
ゆっくりと落ちるその一滴が、たまらなく愛おしい。

一つは、コーヒー豆本来の繊細なフレーバーと奥深い味わいを堪能できるよう、浅煎りの豆をネルドリップで丁寧に抽出したストレート。

カップに口を近づけただけで漂う芳醇な香りは、一口飲むとさらに濃密に。

少量でも圧倒的な存在感を放つコーヒーでした。

  • ミルクを加えた「オ・レ」スタイル
高く掲げたポットからミルクを注ぐことで、口当たりがまろやかに。

もう一つは、日本の喫茶店文化で親しまれてきたカフェオレへの敬意を込めた、「オ・レ」スタイルです。

こちらは、ミルクを加えることで、まろやかで親しみやすい味わいに仕上げられています。

ジェームス・フリーマン氏は、日本の喫茶店文化における「素材への真摯な向き合い方」や「丁寧なハンドドリップ」に深く感銘を受けました。

「SHORT CUP」は、その哲学を色濃く反映し、シンプルながらも奥深いコーヒー体験を提供することを目指していると言います。

また、フィナンシェなどのスイーツとのペアリングも推奨されており、コーヒーとスイーツのマリアージュを楽しむことで、さらに豊かな味わいの世界が広がります。

ディップして食べるのがおすすめです。

DIGESTIF(ディジェスティフ)

そして、コースの締めくくりに提供されたのは、特別な食後酒

韓国で人気の「ダルゴナコーヒー」を彷彿とさせる美しい見た目も印象的。

ラム酒と鹿児島産のサトウキビを使用し、深煎りのコーヒーを加えることで、濃厚でまろやかな味わいを実現。

アルコール度数40度と、しっかりとしたラム酒の風味も楽しめます。

※希望に応じてノンアルコール版も選択可能

グラス、音楽、空間へのこだわり

「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」で過ごす時間は、単にコーヒーを「飲む」時間ではありません。

抽出を待つ間、窓の外に広がる美しい庭園を眺め、京都の四季の移ろいを静かに感じたり、心地よいレコードの音色に耳を傾けたり、熟練のバリスタとの会話を楽しんだり。

ゆったりと自分自身と向き合い、目の前の一杯のコーヒーと対話する。

そんな贅沢な時間が流れます。

コーヒーの種類に応じて選ばれたグラス

一杯ごとに変化するのは、コーヒーの味わいだけではありません。

目の前に並べられたグラスは、それぞれ形状が異なっています。

そう、まるでワインのように、「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」では、コーヒーの種類に合わせてグラスまで計算されているのです。

例えば、口の広いグラスでは、コーヒーのアロマがふわっと広がり、より豊かな香りを楽しむことができます。

ミルクの泡を楽しむグラスでは、口当たりのやわらかさが際立ち、よりリッチな味わいを堪能できます。

「ここまで計算されているのか…」

そんな驚きと感動の連続は、コーヒーが単なる「飲み物」ではなく、「体験」であることを改めて教えてくれます。

香りを“見る”体験、ここにあり。

さらに、目の前でコーヒーが完成していく様子は、ひとつのエンターテインメント。

思わず見入ってしまう美しい手仕事。

ハンドドリップ、サイフォンなど、様々な器具を使い分け、バリスタが丁寧にコーヒーを淹れていく様子は、見ているだけでも心が躍ります。

音楽と抽出が織りなす時間

空間に流れる音楽は、ジェームス・フリーマン氏自身がセレクトしたというレコードコレクションの中から、担当バリスタがその日の天気やゲストの雰囲気を汲み取って選び抜いた一枚です。

バリスタの方によって選曲が異なり、その個性が感じられるのも魅力的です。

中でも印象的だった1枚が、コーヒーの抽出を待つ間に流れた「Ryuichi Sakamoto | 12」でした。

「静謐なピアノの旋律と、ドリッパーからサーバーへとコーヒーの雫が落ちるリズムが、まるでシンクロするように感じるんです」

——そう語ってくれたバリスタ。その繊細な感覚と選曲センスに思わず感嘆しました。

京都町家の特別な空間

そして何より、京都ならではの町家の特別な空間が、このコーヒーコースの体験価値を一層高めてくれます。

町家の離れ、たった5席だけのプライベート空間。そこは、賑やかな京都の街中にいることを忘れさせる、静寂と安らぎに包まれた別世界。

「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」では、コーヒーを味わうだけでなく、空間全体で特別な体験を提供しています。

「コーヒーの概念」が変わる90分

気がつけば、あっという間に90分が過ぎていました。

「もっとこの空間に浸っていたい」。

そう思わせるほど、このコーヒーコースは濃密で、豊かな時間でした。

それは、ブルーボトルコーヒーがいかにコーヒーそのものに真摯に向き合い、「本気」でこの体験を創り上げているかの証。

ここでは、コーヒーをただ飲むのではなく、五感で「感じる」ことができます。

味覚と嗅覚を刺激する多彩な香味はもちろん、視覚を満たす京都らしい町家の空間、美しい庭の景色、洗練された抽出器具や器。

聴覚に訴える、創業者の想いが詰まったコレクションからバリスタがその場に合わせてセレクトするレコードの音楽、抽出の繊細な音、そしてスタッフの穏やかで心地よい声のトーン。

触覚で感じる、温かいコーヒーが舌の上でとろけるような感触、手に馴染む器の滑らかな質感。

そして、この特別な体験を支えているのが、バリスタの温かいホスピタリティです。

彼らは単なるコーヒーの専門家ではなく、ゲスト一人ひとりのペースに寄り添い、心地よい距離感でコーヒーの世界へと優しく誘う、まさに体験のナビゲーター。

豊富な知識と確かな技術を、ゲスト一人ひとりのペースに寄り添い、心地よい距離感でコーヒーの世界へと優しく誘ってくれます。

この「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」は、まさに五感のすべてでコーヒーとそのカルチャーを深く味わうための舞台。

ブルーボトルコーヒーが考える「おいしさ」の哲学や、一杯のコーヒーの向こう側にあるストーリー、そしてサステナビリティへの取り組みといった思想までもが、この空間と体験の中に静かに、しかし確かに息づいているように感じられました。

ブルーボトルコーヒーが示す「コーヒーの未来」とは

多くのカフェが効率や回転率を重視する中で、あえて時間と手間を惜しまず、少人数限定で、これほどまでに濃密なコーヒーコースを提供する。

単に美味しいコーヒーを提供するカフェという枠を超え、コーヒーカルチャー全体の進化と未来を切り拓く試みとも言えます。

その姿勢に、ブルーボトルコーヒーのコーヒーに対する深い敬意と、未来への強い意志を感じずにはいられませんでした。

このコーヒーコースが、これからのコーヒー文化にどのような影響を与えていくのか、とても楽しみです。

実際に私自身は、体験する前と後では、コーヒーに対する見方が大きく変わりました。

「ただの飲み物」から、「多様な個性と深いストーリーを持つ、探求しがいのある嗜好品」へと。

そして、一杯のコーヒーを味わう時間が、これほどまでに豊かで、心を穏やかにしてくれるものなのだと再認識しました。

この「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」のコーヒーコースは、コーヒーに詳しいマニアだけでなく、私のように「コーヒーは好きだけど、詳しいことは…」という人にとっても、純粋な好奇心を満たし、新たな発見をもたらしてくれる素晴らしい機会となるでしょう。

<<こんな人におすすめです>>

  • コーヒーが好きな方はもちろん、その奥深さをもっと知りたい方
  • 「コーヒーは苦いだけ」と思っている方(きっと世界が変わります!)
  • 新しい感覚や、質の高い本物の体験を求めている方
  • 五感を満たす、静かで豊かな時間を過ごしたい方
  • 古都・京都で、他ではできない特別な思い出を作りたい方
  • デザインや建築、音楽など、美しいものに触れたい方
  • ブルーボトルコーヒーの哲学や世界観に深く触れたい方

「Blue Bottle Studio – Kyoto」は完全予約制です。

予約は公式サイトから可能ですが、人気の高さからすぐに予約が埋まってしまうことも多いようです。訪問を計画される際は、早めの予約をおすすめします。

ご予約はこちらから

  • 営業期間:2025年4月1日(火)〜5月19日(月)
  • 営業日:毎週金・土・日・月曜日(一部特別営業日あり)
  • 予約枠:9:30〜11:00 / 13:00〜14:30 / 15:30〜17:00
  • 料金:8,910円
  • アクセス:ブルーボトルコーヒー 京都カフェ はなれ 2階 地下鉄東西線「蹴上」駅から徒歩約7分
お土産:創業者が好んだ松尾芭蕉の一句とコーヒーの花で今日の思い出を詰め込んで。

「コーヒーって、こんなに多様で奥深いものだったんだ」

そんな新しい発見に出会える、京都での極上のひとときでした。

「Blue Bottle Studio – Kyoto – 」で、静寂と香りに包まれる贅沢な90分を、ぜひ体験してみてください!

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